アルツハイマー病患者の多くはコリンが不足しているというデータもあります。
一説には、アルツハイマー型認知症はコリン不足が原因でないかと言われています。
今回は、コリンについて解説して参ります。
コリンの働きと効果
コリンは、ビタミンBに類似した水溶性ビタミン様物質に分類され、人間の体内においてアミノ酸のセリンから合成されます。
ですので、タンパク質を多くとっていれば不足することはありません。体内でアセチルコリンやレシチンの材料となる成分です。
アセチルコリンは血管を拡張して血圧を下げる神経伝達物質として働き、レシチンとは、細胞膜の構成や修復を行なうリン脂質※をつくり出す成分です。
そして、コレステロールの定着を防ぐ働きがあります。
※リン脂質とは、脳(神経細胞)に多く存在し、脳に栄養を届けたり神経の働きを正常に保っています。
つまり、コリンはレシチンをつくり出すことで肝脂肪や肝硬変の予防、アセチルコリンをつくり出すことで動脈硬化や高血圧の予防、自律神経の調整に役だっています。
コリンの摂り方と注意
コリンが豊富な食品は、牛・豚のレバー、卵、大豆、エダマメ、エンドウ豆、玄米、小麦胚芽、サツマイモ、トウモロコシ、ブロッコリーなどがあります。
なんといってもダントツに多く含まれている食品は卵黄ですが、100gあたり含有量は約630mgと群を抜いています。
効率よくコリンを摂る食品としては卵が一番ですね。
コリンの推奨摂取量は日本では定めて無いようですので、アメリカの食品栄養委員会の数値を参考までに記載しておきます。
成人男性では、1日あたり550mg。
成人女性で400~425mg、妊娠期は450mg、授乳期は550mg。
上限値は成人男女とも、3000~3500mgとされています。
コリンには過剰症の心配はありませんが、1日に10g以上のコリンを摂取した場合に魚のような体臭が気になることもあるようです。
サプリメントによる摂り過ぎには注意が必要です。