鉄といえば、釘・固い・錆びる・鉄鍋ですき焼きなどと、ついつい食べることに話がいってしまいますが、あまり体の中にあるミネラルとしての認識はありません。

今回は、「鉄」について解説して参ります。

 

赤血球をつくるミネラル

私たち大人は、体の中に「鉄」を約4.2g持っているそうです。

これぐらいでは、磁力に引き寄せられることはありません。

 

まず赤血球の働きについて見ていきましょう。

鉄は赤血球をつくるミネラルです。血液の細胞である赤血球の主成分はヘモグロビン。

鉄はそのヘモグロビンの材料というわけです。

 

つまり、鉄は血液の成分ということになります。

体内の鉄の65%は、そのヘモグロビンと結合して、肺から取り込んだ酸素を全身の細胞に運んでいるのです。

酸素は体のなかでエネルギーをつくるために必要なもので、鉄がないとその役割を果たせません。ここで言う鉄を『機能鉄』と呼んでいます。

 

そして残りの約30%『蓄蔵鉄』として肝臓、骨髄、脾臓で貯蔵されていて、出血などで鉄が失われたときに血中に放出されて、機能鉄として働きます。

 

残りの数%は筋肉の成分と結合して酸素の運搬と貯蔵を行なったり、代謝反応に関わります。

鉄が不足すると酸素が全身に行き届かなくなって顔が青白くなったり、鉄欠乏症貧血を起こしてめまいや立ちくらみ、動悸などのほか、集中力の低下、体温調節機能の障害、免疫と感染抵抗力の低下など、体のさまざまな機能に支障をきたすことに成るので気を付けたいものです。

 

鉄欠乏症貧血と貧血とは

鉄というミネラルは、実に面白いです。

貧血にも大きく分けて、2種類あります。

まず、体内の鉄が不足することが原因で起こる貧血。これを鉄欠乏症貧血といいます。

これは食事の偏りから鉄の摂取量が不足したり、妊娠や授乳期などでたくさん鉄が使われて起こる貧血です。

 

もうひとつの貧血は、体内の血液量が少なくなって起きる普通の貧血です。

女性が月経などで出血が多いときや、病気やケガで出血が続くときなどに起こり易い貧血です。

 

赤血球の特徴としては、寿命が120日ということです。

寿命がきた赤血球は脾臓で一旦破壊され、その破壊された赤血球の鉄は、繰り返し赤血球の合成に再利用されるのです。

体内に取り込まれた鉄はほとんど体外に排泄されないので、何だか鉄ってエコな栄養素なのですね。

ただし、体内の鉄量が少ないと、貯蔵鉄も不足します。

貯蔵鉄が少ない子どもや、とくに女性の場合は月経によって毎月鉄が失われていることや、妊娠や出産もあります。

ですので、女性にはもともと貧血になる可能性が男性よりも多いため、出来るだけ食事から鉄を摂らないといけませんね。

 

鉄の種類とその吸収力の差がある

私たちが一般的に知っている鉄分の多い食品といえばレバーです。

鉄は、動物のレバーや赤身の肉、貝類、小魚などにも多く含まれています。

植物では大豆、ホウレン草、小松菜などです。

これら食品に含まれる鉄は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」とに分けられます。
このふたつの大きな違いは、吸収力です。

ヘム鉄は、非ヘム鉄の約5倍吸収力が高いのです。

 

ヘム鉄は動物性食品の、特に赤身肉を食べると効果的です。

ただし、レバーにはレチノールが多く含まれるために、妊娠中の過剰摂取はNGです。

非ヘム鉄は植物性食品の、特に乳製品や卵に多く含まれています。

しかし、ヘム鉄ほど吸収力が高くないので、ビタミンCと一緒に摂取すると高くなります。

 

また、非ヘム鉄を食べる時に、動物の肉や魚肉を一緒に食べると吸収力を促進できるのです。

 

鉄を多く含む食品

鉄の特徴を理解した上で、食べ合わせを工夫してより効率よく鉄分の補給をしたいです。

 

【1食あたりの含有量(mg)】例

<アサリ缶詰水煮>

1/2缶=65g 含有量=19.3mg

<豚レバー>

1皿=80g 含有量=10.4mg

<牛ヒレステーキ肉>

1枚=120g 含有量=2.9mg

<レンズ豆(乾)>

1皿=30g 含有量=2.7mg

<生揚げ>

1/2枚=100g 含有量=2.6mg

<小松菜>

2株=80g 含有量=2.2mg

<マイワシ(丸干し)>

2尾=50g 含有量=2.2mg