食品添加物の「一括表示」と「表示免除」の除外規定を『第二の隠れ食品添加物』だとすると、どうしても伝えなくてはならない「第三の刺客」の存在を明らかにしておかねばなりません。

今回は、加工食品の「黄金トリオ」について解説します。


「黄金トリオ」の3点セット

 
ここで言う「黄金トリオ」とは、食品の【風味づけをするエキス類】以外の「塩」「化学調味料」「たんぱく加水分解物」のことです。

私たち日本人は、うまみ成分を敏感に感じとり、出汁をとり材料によっては3日間骨の髄までコトコトと火を入れてスープをこしらえて来ました。

それは、鰹や昆布やいりこなどから出汁をとって、みそ汁も作っていました。

もちろん、お味噌も自家製とか各家庭の味があったものです。

お味噌は、発酵の力を借りてうまみを引き出し、長い間私たち日本人は万能の調味料として味噌を料理に活用して来ました。

ところが、徐々に「味の素」が普及し、パッツパッと一振りするだけで、出汁をとる必要が無くても美味しい味噌汁が出来るように成りました。

あれから30年、進化を繰り返し今ではお湯を注ぐだけで、何でも出来てしまうように成りました。

特に、インスタントラーメンは、大人から子供まで大好きで「国民食」と呼んでも良いほどです。

粉末スープは、便利に凝縮して作ったんだと、想像していましたが実は全て「白い粉(添加物)」が作りだした魔法のスープです。

参考までに、豚骨ラーメンのスープの作り方を紹介します。

まずは、塩(安い焼き塩)を2.5~3.5g用意します。
 
これに「化学調味料」を加え、とんこつエキス、チキンエキス、などの「たんぱく加水分解物」も入れます。
 
さらに、ホワイトペッパーなどの「香辛料」を少々加えます。
 
ゴマや乾燥ねぎも入れます。
 
もう一口飲みたくなるように、さっぱりした後味にするために「酸味料」、とろみをつけるために「増粘多糖類」も入れましょう。
 
これで、とんこつスープの完成です。
 

とんこつスープをしょうゆスープにしたいなら、とんこつエキスを粉末しょうゆに、味噌味にしたければ味噌粉末に置き換えればいいだけなのです。

なんと、便利なものでしょう。

インスタントラーメンだけではなく、うまみのベースは同じでスナック菓子やだしの素、ありとあらゆる加工食品に「3点セット」が添加されているのです。

3つの内、塩は説明するまでもありませんので、他の2つについてそれぞれ見ていく事にします。

 

化学調味料(使用料は増加の一途)

 
化学調味料ときいて、余りいいイメージは有りません。

何にでも化学調味料を振って食べていたこともあったのではないでしょうか?

お漬物や味噌汁にまで・・・

でも、暫くして「化学調味料を食べると頭が悪くなる」とか「身体に悪い。」とか、敬遠され始めました。

食卓からはあのビンは姿を消しましたが、いまも「化学調味料」の使用料は減っていないそうです。
このからくりが、加工食品の躍進にある訳です。

 

「天然だし」も化学調味料入り

 
「家では、化学調味料を一切使いません。」

と言いながらも、みそ汁を作るときにだしの素を使っていませんか?

だしの素も、「化学調味料」入りです。

「うちのは、『天然だし』って書いてあるわ」

と思っているあなた・・・

「裏」をよくご覧ください。

「調味料(アミノ酸等)」と書いてある筈です。

最近では「化学調味料」を使っていないだしの素もあり、その時は「化学調味料無添加」と表示されます。値段は割高です。

今や私たちの舌は、「化学調味料」の濃い味付けに慣らされてしまっています。

 

たんぱく加水分解物

 
「塩」、「化学調味料」ときて、最後の3つ目は「たんぱく加水分解物」です。

「たんぱく加水分解物ってなに?」

そう思われる方も多いはずです。

「たんぱく加水分解物」とは、肉や大豆などのたんぱく質を分解して作られるアミノ酸のことです。

これが、日本人がもっとも好むうまみの素なのです。

しかし、この「たんぱく加水分解物」こそが、実は大きな問題を抱えているのです。

「たんぱく加水分解物」は正確には添加物ではありません。

しかし、食品の味を調えるという意味で、限りなく添加物に近い存在です。

このことが、『第3の食品添加物』といった理由なのです。

問題は、製造工程にさかのぼります。

ひとつは、酵素を使ってたんぱく質を分解する方法。もうひとつは、「塩素処理法」といって、塩素を使って分解する方法です。

30年以上も前から、使われるようになった背景には、「化学調味料」だけでは味が単調になって、飽きてしまって売れない。

そこで、「たんぱく加水分解物」が登場して来ました。
消費者の目をあざむく添加物卸業者もさることながら、生活様式の変化や共稼ぎなどと合わせて『便利だから』の一言のように考えてしまいます。

【安く、早く、大量に】を重視すると、そこには情報開示をおろそかにする風潮が現れます。

一番の心配は、分解するときに「塩素処理法」でアミノ酸を作った、その「たんぱく加水分解物」のなかに含まれる「残留塩素」が100%除去されているのかどうかが、問題です。

 

もうひとつの問題は、この濃い「たんぱく加水分解物」の味を美味しいと知ってしまった、覚えてしまった子供たちのことが問題です。

本当の味を知らずに、本当の作り方や料理の楽しさや家族のだんらんを知らずに育った子供たちの未来が怖いのです。

この世から、「三点セット」が無くなることは今さら考えられません。

実際、その恩恵を私たちは享受しています。

代わりに、時間を作っていると考えると得をしているのでしょうか?

 

「化学調味料」も同じですが、「たんぱく加水分解物」は子供が大好きな味です。

ですから、この味を一度覚えてしまったら、本来の天然のだしや野菜や味噌やしょうゆの純粋な味を美味しいと思えなくなるそうです。

そう言っている私も、濃い味付けの方が口に合う方かもしれません。

ということは、これだけ世の中に氾濫している「食品添加物」や「化学調味料」そして「たんぱく加水分解物」は舌だけでなく脳にまですり込まれてしまっています。

 

そして、やがて食材や作ってくれた農家のおじちゃんやおばちゃんに、そしてご飯の用意をしてくれたお母さんにも感謝できない子供が、増えるように思うのです。

 

パックのまま、電子レンジで「チン!」だけで、食卓に並べることだけでは食事と言えない気がします。

このことが、次の世代に、そしてまた連鎖していくことを何処かで止める必要があります。